エリアも決まり、予算の考え方も整理できた。次はいよいよ、私たちが毎日を過ごす住空間。つまり、お楽しみの間取りのお話です!
リビングは20畳以上あるといいなー。できればウォークインクローゼットも書斎も欲しい! 2匹の猫たちがのびのび暮らせるスペースも確保したいし……キャットウォークなんてのも作れるって聞いたことある……。この際、本気で考えてみる……?
夢を膨らませる私に対し、自動車メーカー勤務の夫は「限られた広さなら効率が一番」とどこまでも現実的。そんなこと言ってー。実は自分だってけっこうワクワクしてるんでしょ(小声)
マンションの間取りは、広さだけで決まるものではありません。限られた面積の中で、何を優先し、何を諦めるべきなのか。広島のマンション事情に精通したGAパートナーズさんに、「失敗しない間取り選びの極意」を聞いてきました。

しんどう
広島生まれ、広島育ちのフリーライター。自動車メーカーに勤務する夫と5歳の息子、猫2匹の3人+α暮らし。自宅で長時間仕事をすることが多いため、住環境の快適さには人一倍こだわりがある。「リビングは広く、収納もたっぷり。でも予算は抑えたい」という、わがままな願いを叶えようと奮闘中。
憧れていた「自分色」に染められるマンション?新築マンション購入の醍醐味
「家を買う」楽しみの一つが、自分好みに部屋をつくれること。新築分譲マンションでも、無償の「セレクト」や有償の「オプション」でカスタマイズできる物件も多くあります。
賃貸では「既存のものに自分を合わせる」のが当たり前でしたが、新築分譲マンションなら「自分好みの部屋をつくる」ことができます。毎日目にする床や壁紙、使いやすいキッチンの高さまで、自分たちの暮らしに合わせて選べるなんて、想像するだけで楽しくなりませんか?
実際に私は友人の購入した分譲マンションに行ったことがあるのですが、床材や建具を全て白に、ポイントカラーをラベンダー色に統一してありました。まるでモデルルームのような統一感で、「これ、本当に普通のお宅?」と思ったほどです。めちゃくちゃおしゃれー! 購入前にカスタマイズしたそうです。
私はさっそくGAパートナーズさんの本社で、一番気になっていたことをぶつけてみました。
しんどう: 辻󠄀本さん、マンションって契約した後にどれくらい自分たちの要望を反映できるんですか? 壁紙を変えたり、キッチンの高さを変えたり……ライターの私としては、仕事部屋のコンセントの位置一つとってもこだわりたいんです!

辻󠄀本さん: しんどうさん、そのこだわり、大歓迎ですよ! 弊社(GAパートナーズ)は、かなりフレキシブルに対応している方だと思います。


開発事業部1部
課長代理 辻󠄀本 裕哉
●不動産業界歴10年以上
●宅地建物取引士
しんどう: そうなんですか(期待)! どの程度まで選べるものなんですか?
辻󠄀本さん: 販売時期によりますが、初期の段階であれば「メニュープラン」といって、間取りのパターンをいくつか選ぶことができます。例えば、3LDKを2LDKにしてリビングを広くする、といった変更ですね。さらに、クロスの色やキッチンの高さ、ドアのデザインなどもセレクト可能です。さらにしんどうさんこだわりのコンセントの位置の変更にも、有償のオプションで対応可能です(※1)。
(※1)無償・有償の内容は物件により異なります。詳しくはモデルルームにてご確認ください。
しんどう: クロスの色やドアのデザインだけじゃなく、間取りまで変更できるんですね! 夢が広がりますねえ。コンセントの位置が変えられるのも嬉しいです! でも、やっぱり制限はありますよね?
辻󠄀本さん: はい、そこが重要です。マンションは下の階から順番に工事が進むため、間取りや設備を変更できる期限も階ごとに異なります。気になる物件があれば、「まだ変更できる時期ですか?」と早めに確認することも大切ですね。
なるほど。マンションは「みんなで一つの建物を作る」プロジェクト。自分の部屋のこだわりを叶えるためには、早めの決断が鍵になるようです。自動車メーカーで「納期」と戦う夫に、早めに相談しておかないといけないな……と、メモに書き留めました。
横型?縦型?広島のマンション間取りの「主流」を知る
ここ最近、気になるマンションを見つけるたびに、間取り図を穴が開くほど眺める毎日。そんな中、ふと気付いたことがありました。リビングがバルコニーに向かって横に長いタイプと、縦に長いタイプがある……?
しんどう: 辻󠄀本さん、広島のマンションってリビングが横にドーンと広いタイプが多い気がするんですけど、これって何か理由があるんですか?
辻󠄀本さん: お目が高いですね。広島ではどちらかというと「横型リビング」が主流です。バルコニーに面してリビングとダイニングが並んでいるので、とにかく明るくて開放感がある。広島の方は、この点を重視される傾向が強いと感じています。
辻󠄀本さんは実際の図面を画面に映しながら、「こちらが横型、こちらが縦型です」と説明してくださいました。同じ中部屋(両側を他住戸に挟まれた部屋)でも、印象がずいぶん違います。


しんどう: 確かに! 私も「リビングは明るいのが一番」って思っていました。広島は瀬戸内らしい穏やかな気候で、日当たりを重視する人が多いからなのかな。じゃあ、逆の「縦型」はどうなんですか?

辻󠄀本さん: 縦型リビングは、バルコニーの半分がリビング、もう半分が隣の洋室に面しているタイプです。関西や首都圏ではこちらが多い印象ですね。メリットは、リビングの横に繋がる部屋で、「用途の可変性」と「洋室としての独立性」が両立しやすいことです。
しんどう: 可変性と独立性、ですか。
辻󠄀本さん: 例えばリビングの横に可変性のある部屋があると、お子さまが小さいうちはプレイルーム。小学生になったら子ども部屋。そして巣立った後は夫婦それぞれの書斎へ。あるいは、しんどうさんのように自宅で仕事をされる方なら、そこをワークスペースにする、という使い方ができます。これは縦型リビングと横型リビングに共通して言えることです。
さらに縦型リビングについては、横に繋がる洋室にも、窓があるため、採光、換気、エアコンの取り付けもしやすく、独立した部屋として使いやすくなるのが利点ですね。(※2)
(※2)上記の説明は、窓が少ない「中住戸」を想定しております。窓が多い「角住戸」では、「横長リビング」に繋がる洋室でも採光・換気・エアコンの取り付けがしやすい場合があります。物件ごとに間取りの特徴は異なりますので、詳しくはモデルルームにてご確認ください。
しんどう: なるほど……。「リビングの明るさや開放感」を優先するか、それとも将来の変化を見越して「使い勝手」で選ぶか。結局は、今の暮らしだけでなく、5年後、10年後の家族の姿まで想像することが大切なんですね。
図面だけを見ていると、どれも同じように見えてしまいます。でも、プロに説明してもらうと、その一つ一つに「どんな暮らしを想定しているのか」という設計思想があることがよく分かりました。次からマンションのチラシを見る時は、「何LDKか」だけではなく、「横型かな? 縦型かな?」までチェックしてみます!
「面積」と「価格」の切実なトレードオフ
辻󠄀本さんはさらに、「間取りは、最終的には優先順位の問題ですよ」と、現実的な視点を示してくれました。
辻󠄀本さん: 皆さん「リビングは20畳、寝室も10畳、収納もたっぷり!」と希望されます。でも、それを今の広島の市街地で実現しようとすると、価格はあっという間に1億円を超えてしまう可能性があります。
しんどう: 億ション……!(白目) 一般的な共働き夫婦である私たちが向き合うべき「現実」はどこにあるんでしょうか。
辻󠄀本さん: 例えば、同じ3LDKでも「65平米」と「70平米」では、暮らし心地も価格も大きく変わります。この5平米の差で、価格は約300万〜400万円ほど違ってくるのが今の相場です。
しんどう: 5平米で約400万! たった5平米って、畳にすると約3畳ほどの差なのに。ライターの原稿料で換算したら、気が遠くなる数字です……。
辻󠄀本さん: 65平米で3LDKを作ろうとすると、ウォークインクローゼットを設けるのが難しくなります。一方、70平米あれば収納を確保しながら各部屋にもゆとりを持たせやすくなります。

辻󠄀本さん:私たちの役割は、お客様が探している「叶えられないかもしれない理想(低価格で広い家)」と、現実の折り合いをご提案することなんです。収納がどうしても必要なら平米数を上げるか、あるいは部屋数を一つ減らすか。何かを取るなら、何かを譲る。この『トレードオフ』の感覚を持つことが、失敗しないコツです。
しんどう: なるほどー。立地を優先するのか。リビングの広さを優先するのか。収納を増やすのか、それとも予算を抑えるのか。
つまり、「全部ください」は通用しづらい世界なんですね(真顔)。
だったら、わが家は何を一番大切にしたいのか。子どもや猫たちが走り回れる広さなのか、夫婦それぞれが集中できるワークスペースなのか、それとも家計にゆとりを残すことなのか。
間取り選びは、部屋を選ぶことではなく、「どんな暮らしをしたいか」を選ぶことなんだと、ようやく腑に落ちました。
和室は必要?「シェアする共用施設」という選択肢
次に私が切り出したのは、昔ながらの「和室」について。
しんどう: 辻󠄀本さん、実家には当たり前にあった「リビング横の和室」、最近のマンションではあまり見かけませんよね? 私、和室で猫とゴロゴロするの、ちょっと憧れてたんですけど。
辻󠄀本さん: 実は弊社では、最近は標準プランに和室を入れていないケースが多いんです。以前、お客様にアンケートを取ったことがあるのですが、和室の用途のほとんどが「誰か(親戚など)が来た時の寝室」だったんです。

しんどう: あー、わかります! でも、その「誰か」が来るのって、年に1、2回なんですよね。
辻󠄀本さん: そうなんです。そのために貴重な面積を和室に割くのは、今の高騰したマンション価格を考えると合理的ではありません。それなら、和室をなくしてリビングを広げたり、収納を増やしたりする選択肢もあります。
そう言われて、わが家の和室を思い浮かべました。
お客様が来る日は年に数回。それ以外の日は洗濯物を畳んだり、荷物を置いたり……。正直、「和室じゃなくても困らない使い方」をしている時間のほうが圧倒的に長いかも。
しんどう: 確かに。でも、両親や姉が泊まりに来る時はどうすれば……?
辻󠄀本さん: そのための「ゲストルーム」です。最近の分譲マンションには、共用部にホテルのような宿泊施設(ゲストルーム)が用意されている物件も増えています。1泊数千円程度で利用できるケースも多いため、わざわざ自宅に客間を設けなくても済むんですよ。
しんどう: なるほど! 自分たちが毎日暮らす空間は自分たちのために使い、来客用は共用施設を活用する。昔は「家の中に客間を持つ」のが当たり前でしたが、今は「必要な時だけシェアする」という考え方なんですね。
限られた面積をどう使うか。和室が減った背景には、マンション価格の上昇だけでなく、「毎日の暮らしを優先する」という住まい方そのものの変化があることを実感しました。
フリーライターの悩み。在宅ワークと「集中」の距離感
お次は、私にとって死活問題である「仕事スペース」の話。
しんどう: コロナ禍を経て、ワークスペースを作る人が増えたと聞きます。私も自宅で原稿を書くので、リビングで子どもが騒いでいても集中できる場所が欲しいんです。
辻󠄀本さん: 一時期に比べるとブームは落ち着きましたが、今でも「リモートワーク用」の設計変更(※3)を希望される方は多いですよ。中には、約3畳ほどの空間を最初から「仕事専用」に仕切るプランを無償のメニュープランで用意している物件もあります。
(※3)設計変更は有償となります。詳細はモデルルームにてご確認ください。
しんどう: 約3畳! 秘密基地みたいで集中できそう。

辻󠄀本さん: 自動車メーカーにお勤めのご主人も、家で少しパソコンを触ったり、集中して本を読んだりする場所があればお喜びになるんじゃないですか?
しんどう: はい、夫は自分の「ガレージ」を持てない分、せめて書斎が欲しいとは言っていました(笑)。
辻󠄀本さん: マンションは戸建てほど自由ではないと思われがちですが、扉を可動式にしたり、壁の位置を少しずらしたりするだけで、驚くほど「職住分離」が実現できるんです。これも、私たちデベロッパーが手間をかけて対応しているポイントですね。
コロナ禍をきっかけに、家は「働く場所」「学ぶ場所」など、より多くの役割を担うようになりました。
書斎というと少し贅沢に聞こえますが、仕事だけでなく、子どもの勉強スペースになったり、趣味を楽しむ場所になったりと、ライフステージに合わせて使い方を変えられる空間でもあります。
「今だけ」ではなく、「10年後にも活躍する場所」。
そんな視点で間取りを考えると、3畳という小さなスペースが、想像以上に価値のある空間に思えてきました。
まとめ:間取りは「家族の現在」と「未来」を繋ぐ架け橋
辻󠄀本さんは最後、少し意外なことをおっしゃいました。
辻󠄀本さん: しんどうさん、間取りももちろん大切ですが、最近の私たちはそれ以上に「住宅性能」の重要性もお伝えしています。

しんどう: 性能、ですか? 断熱とか省エネとか?
辻󠄀本さん: そうです。国土交通省では2030年までに省エネ基準をZEH/ZEB水準の省エネ性能に引き上げることを予定しています(※4)。室内の温度差が少ないことは、快適さだけでなく健康にもつながります。間取りだけでなく、「長く安心して暮らせる家か」という視点もぜひ持っていただきたいですね。こちらは次回以降で、詳しくお話しさせていただこうと思います。
(※4)出典:国土交通省
https://www.mlit.go.jp/shoene-jutaku/
たっぷりお話を伺い、GAパートナーズさんのオフィスを後にした私は、来る前とは少し考え方が変わっていました。
最初は「リビングは広いほうがいい」「収納は多いほうがいい」と、”足し算”ばかりで考えていた私。でも実際は、限られた面積と予算の中で、「何を優先するか」を決めることこそが、間取り選びなんですね。
年に数回の来客のために和室を残すのか。毎日を快適に過ごすためにリビングを広げるのか。収納を優先するのか、それとも書斎やワークスペースをつくるのか。
間取りとは、部屋を選ぶことではなく、家族の暮らし方を選ぶこと。
そう考えると、一枚の間取り図が少し違って見えてきました。
「……よし、夫が帰ってきたら、色んな間取り図を見ながら”わが家の優先順位会議”を開催しよう!」
さて、間取りのイメージが固まってくると、今度はもっと現実的な疑問が湧いてきます。
マンションで子育てをすると、足音や生活音は本当に大丈夫?
共働き家庭には、戸建てよりマンションのほうが向いている?
最近のマンションには、子育てをラクにしてくれる設備があるって本当?
次回は「マンション子育て編」。
子育て世代だからこそ知っておきたい、マンションで暮らすリアルを伺います。
(Vol.6 マンション子育て編へつづく)
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