今回は2号に渡って、「睡眠」について、広島国際大学臨床心理学教授の田中秀樹先生の監修頂きお届けしています。第二弾は、熟睡への促し方をご提案します。

vol.252018.09.1

今回は2号に渡って、「睡眠」について、広島国際大学臨床心理学教授の田中秀樹先生の監修頂きお届けしています。第二弾は、熟睡への促し方をご提案します。

(1) 睡眠は身体と心のバロメーター

睡眠が充実しているのか、していないのかは、あなたの身体と心のバロメーターになります。
もし、あなたが「最近、深く眠れていない」と感じているのなら、ぜひこちらに書かれている方法をお試しください!熟睡を取り、朝を迎えた身体と心はいつもとは違い、毎日の活気を取り戻せますよ。

(2) ぐっすり眠るといいことばかり

① 「サーカディアンリズム」(概日リズム)を規則正しく保つ

体温と深い関係があります。寝る前に体温が自然に下がることで熟睡を促すので、寝る3時間以内に激しい運動をしたり、熱いお風呂に入るなどは避けましょう。
逆に、朝に熱いシャワーを浴びると体温が上昇し、脳と身体が目覚めます。

② 日中や就床前の過ごしかたを見直す

明るい場所で活動的に過ごせば、夜になると自然と眠りに入る事が出来ますが、それでも、お昼にウトウトと眠くなる事もありますよね。そんな時は13~15時の間で30分以内の昼寝をしましょう。30 分以上寝てしまったり、夕方に昼寝をすると逆効果です。

③ 睡眠の環境を整える

睡眠の環境には、光・温度・湿度・脳と心の状態など、様々な要因があります。
体温が自然に下降して眠りにつけるよう意識して環境を整えましょう。最近では寝床にスマートフォンなどを置いて寝る方も多いのではないでしょうか。スマートフォンから入る情報は脳を興奮させ、あなたの熟睡を奪ってしまいます。寝床は何もないリラックスの空間にしましょう。

④ 就床前のリラックスと睡眠への脳の準備を行う

寝床で考え事をする人も多いのではないでしょうか。ですが、これは熟睡には逆効果です。脳が興奮して
ますます眠れなくなってしまいます。就床前は頭を使わずに、リラックスして脳の興奮を鎮めましょう。

このように、4つのポイントをおさえて生活をしてみましょう。
毎日出来なくても、週に3日だけなどとし、習慣にしてみましょう。

(3) 意外に知らない3つの常識

◆睡眠は8時間がちょうどいい

誤りです。人それぞれに適正時間があります。6時間以内の睡眠でも熟睡感がある人を「ショートスリーパー」9時間以上の人を「ロングスリーパー」といい、実際に5~10%の人がロングスリーパーと言われています。睡眠の長さではなく、人それぞれに適正睡眠時間があると言えます。

◆寝だめは出来る

誤りです。睡眠には眠るためのエネルギーを必要とします。睡眠と同じくらいの時間の長さだけ就床前にしっかりと起きておくことが大切です。

◆寝付けない時は羊を数える

実は、こちらは逆効果です。それよりも効果的なのは腹式呼吸を繰り返すことです。

(4) さいごに

第一弾でもお話させて頂いた通り、睡眠は毎日の生活を活気ある日々にするだけでなく、身体や心、美容にも大いに影響を及ぼします。よって、睡眠で私達の人生は大いに変化していくのです。
週に3日から挑戦してみてください。朝から気持ちよく過ごせ、毎日が変化していくことを実感できます!

田中 秀樹 Hideki Tanaka
Profile
広島国際大学
臨床心理学科 教授 博士(学術)
田中 秀樹  Hideki Tanaka
・睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士養成に従事
・NHK「ガッテン(旧ためしてガッテン)」
「クローズアップ現代」等に出演
・著書に「ぐっすり眠れる3つの習慣」ベスト 新書、他月刊誌などにも多く掲載

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