迷うことも多い引越しのマナーについて、接遇のプロである薦田先生にお伺いしました。

vol.232018.04.1

迷うことも多い引越しのマナーについて、接遇のプロである薦田先生にお伺いしました。

引越しは、環境が変わる大きな節目

日々暮らす環境を変えることは、人生において節目となります。古くから日本では様々なマナーがありますが、現在は事柄にとらわれず、気持ちが大切だという考え方も多くなりました。
今までお世話になった人々やこれから顔を合わせる事の多い人々への気持ちを表すことが、引越しマナーにつながるでしょう。

最も大切なことは、気持ちです。 笑顔でご挨拶するだけで好印象です。

引越しマナーの3つの疑問

引越しの際の挨拶まわりは、「向こう三軒両隣り」と言い、向かい側三軒と、両隣の家に挨拶するのが常識だと考えられています。ところが、時代とともにその考え方も変わってきて、最近では引越し時に挨拶まわりをしないという方も増えてきました。
とはいえ、今でも約6割の方が挨拶をされており、分譲マンションのご購入者においては、約8割以上の方が挨拶まわりをされているというデータも出ています。
隣人は、防犯や災害時に頼れるパートナーになる可能性もあります。
つまり、引越しの際の挨拶は、その後、安心して気持ちの良い生活を維持するための事前対応なのです。
そこで気になるのが、「挨拶はどこまでするのか」「挨拶のタイミングは?」「手土産について」です。

① 挨拶はどこまでするのか?

マンションの場合は、一般的には両隣と上下のお宅に挨拶に行きます。また、同じフロアに部屋数が少ない場合は、左右だけでなく同じフロアのお宅すべてに挨拶に行っておくといいでしょう。更には、マンションの特性に合わせて、管理人・管理組合などにも挨拶をした方が良い場合があります。

② 挨拶のタイミングは?

できれば、引越し当日は、エントランスやエレベーターを占有する時間があるので、荷物を積み下ろしする前までに、挨拶まわりをすることがベストです。
ただ、旧居の引越しがあると時間がとれない場合もありますので、ご近隣とのお付き合いをより円滑にするためにも、当日まで、もしくは翌日、遅くとも引越しの前後
一週間以内には、行っておくことをおすすめします。

③ 手土産について

ご挨拶の際にお持ちする手土産は、菓子折りやタオルなどの生活雑貨が一般的。ポイントは、相手に気を使わせない気の利いたもの。例えば、菓子折りでも日持ちのするお煎餅や焼菓子が一般的ですが、出身地や旧居のある地域の銘菓を用意するのも良いでしょう。
タオルでも、あまり好みに左右されないシンプルな色やデザインを選んだり、布巾でも少しこだわって「白雪ふきん」等を用意するのも素敵です。金額は、分譲マンションの場合、一個700円から1,000円ぐらいがベストでしょう。
そして、包装ですが、外熨斗・白赤の蝶結びの水引(プリント印刷のもので十分)を使用。のしの表書きの上の部分には「御挨拶」、下には贈り主の「苗字」を書きます。

不在の場合は、メモなどにごあいさつ文を記載し、まずポストに投函するのもいいでしょう。

旧居のご近隣への引越しのご挨拶

手土産を用意して、感謝の気持ちを伝えながら回るといいでしょう。
ちなみに、手土産ののしには、『御挨拶』ではなく、『御礼』と書きましょう。

最後に

引越しに限らずマナーはともすれば行き過ぎてしまい相手を恐縮させてしまうこともあります。特に引越しでは、まだ顔も見たことの無い、考え方や好みを知らない方へご挨拶をするということで緊張もあるでしょう。
ですが、ご安心を。ご挨拶後は何度も顔を合わせる方々です。
ご挨拶時に「〇〇しなければいけない」と意気込まず、「これから顔を合わせる方々に、ソフトなタッチをしておこう」と考えてみましょう。
そう思うことで、きっと、緊張せず笑顔でご挨拶できます。

薦田 裕子 Yuko Komoda
Profile
~人プロデュース~ 株式会社ビュースマイル
代表取締役
薦田 裕子  Yuko Komoda
・人プロデューサー・スピーキングトレーナー
・笑声トレーナー
・アニバーサリーアドバイザー

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