今回は以前にもご紹介させて頂いた「暮らしと香り」について、より具体的な実践方 をうらべ清香先生にお伺いしました。
アロマを暮らしに取り入れるメリット
アロマテラピーと聞くと「いい香りで心地よい」とイメージする方もいれば、反面「使い方が難しそう」という方もいらっしゃいます。アロマは暮らしの様々な場面で活用できます。今回は皆様に安心してお使い頂ける具体的な方法をご紹介します。
【部屋別お勧めのアロマと使い方】
①リビングダイニング
ご家族と過ごすくつろぎのシーンとお客様が来られた際の楽しい時間を共有するシーンの2つが考えられます。お客様にはそれぞれ香りの好みがあるため、比較的誰もが受け入れやすい香りという点も考慮したいですね。
ご家族との時間にはラベンダー、マジョラム、ローズウッド、来客時にはオレンジスィート、ベルガモット、マンダリンが良いでしょう。くつろぎのシーンにぜひお勧めしたいリトセアは種子から採られる精油で、主成分であるテルペン系アルデヒド類は神経系の鎮静作用が強く、ほっとひと息つきたい時やストレスから解放されたい時に活用されます。レモンと木の香りを感じさせ爽やかな香りです。
電気式アロマディフューザーやアロマポットなどで、お部屋全体に香りを拡散しましょう。
②玄関
玄関は外と中を繋ぎ靴を脱ぐ場所でもあるため、汚れやすく臭いが気になりやすい場所です。抗菌作用や消臭作用の期待できるアロマを活用しましょう。
サイプレス、サンダルウッドなどのウッディ系で、中でもお勧めなのはローレル。月桂樹とも言われ森林浴効果も期待できます。靴の臭いにはティートゥリーがお勧めです。オーストラリアの原住民アボリジニが古くから感染症や傷などに万能薬として使っていたことで有名な植物で、抗菌作用が高くスッキリとした香りです。
木製スティック式のディフューザーを使用したり、スプレーを作って空間全体にシュシュッと噴霧してもいいでしょう。靴の臭いが気になる場合は、20cm程度の小判型の木綿の袋の中に精油を数滴たらした重曹を入れて口をしっかりと閉じ、靴の中に入れておきます。
③寝室
寝室は人生の3分の1を過ごす場所。心から安らぎ、速やかに眠りが訪れるような空間づくりが求められます。
カモミール・ローマン。「大地のリンゴ」とも呼ばれ、甘酸っぱい香りが優しい気分にさせてくれます。主成分であるエステル類は神経系の鎮静と誘眠作用が期待できます。一日の様々な思いを一旦リセットさせ、朝を気持ちよく迎えさせてくれる香りです。ジャスミン、イランイラン、ラヴィンツァラなども誘眠作用が高いのですが、香りが強いので使用量には注意が必要です。
ディフューザーで拡散したり、ティッシュに数滴落として枕元に置いておけば、スーッと深い眠りが訪れ、スッキリとした目覚めを迎えられます。冷えが気になる方は、お湯を張った洗面器に精油を数滴落とし足湯や手浴をしてみてください。末梢の血流が良くなることで全身が温まります。大きく深呼吸をして立ち上る湯気を吸いこめば、さらに効果的です。
④子供部屋
学習時に子供の集中力を高める環境づくりが大切です。
ローズマリーには頭脳明晰作用があります。この香りを嗅ぐだけで嗅細胞や嗅神経が活性化し、記憶の中枢である大脳の海馬を刺激します。
お部屋全体にディフューザーで香りを拡散してもいいですし、精油の小瓶を時々開けて香りを直接嗅ぐと、気分がリフレッシュされて集中力を持続させることができます。
アロマを取り入れるときに最も大切なこと
アロマの効果効能で香りを選択する以上に大切なのは「好きな香りを使う」ということです。「好き」という感情に忠実に精油を選択することが、自律神経系、免疫系、ホルモン系に働きかけ、あなたの心身をより心地よい場所へと導きます。まずはお気に入りの精油を1本見つけて、室内に拡散するところから始めてみてくださいね。