「ファブリックの魅力」について、インテリアコーディネーター高杉先生にお伺いしました。

vol.122017.05.1

「ファブリックの魅力」について、インテリアコーディネーター高杉先生にお伺いしました。

ファブリックの魅力

リフォームや家具の買い替えなど、大がかりな事をしなくてもお部屋の雰囲気を変えることができるのがファブリック。季節ごとにカーテンを掛け替えていただくのが理想ですが、それが難しくてもクッションカバーやラグを変えるだけでお部屋のイメージは変わります。ファブリックの色だけでなく、素材感も取り入れ、季節感を感じながら暮らしを楽しみましょう。
しかし、いざ「自由に選んでください!」と言われても、たくさんの種類の中から自分好みのファブリックを見つけるのは大変な作業です。そこで今回は、カーテンに重点を置いて、マンション暮らしにおけるカーテンの選び方やコーディネートの方法などご紹介します。

VOL12-GAGUIDE201704

選択方法3つのコツ

「カーテンってどうやって選ぶの?」皆さんからカーテン選びのご相談を受ける時、必ずと言っていいほど投げかけられる言葉です。何を重視して選んでいくのかを考えてみましょう。

①機能から考える

例えば、遮光カーテン。外光を遮ってくれるので西日の強いお部屋にも有効です。一般的なカーテン生地より厚手のものも多く、冷暖房効率も上がりやすくなります。防犯のため外側へ室内の明かりを漏らしたくないという場合も効果的です。ただし、遮光カーテンは光を遮るために黒糸を使用して繊維を織っているため、生地自体の色はくすんだ色が多く、柄も限定されるので、リビングなど機能のこだわりがなければ、遮光にする必要はないでしょう。
レースにもUVカット・遮熱・防汚など機能がついているものが増えてきますが、レース特有のクリアで繊細な素材感はなく、厚手で目の細かいものが多いので、意匠性に欠けるという欠点があります。デザイン重視なのか、機能重視なのかで選べるものも変わるので、お部屋の日当たりなどを考慮して決めると良いでしょう。
また、現在のカーテンはほとんどがご自宅で洗って頂けるウォッシャブルになっていますが、中には天然素材を使用したカーテンなど、ウォッシャブルではない物もあるので、お手入れが気になる方は素材の表示を確認することも重要です。

②お部屋の内装(床やドアの色)から考える

カーテンを選ぶうえでもっとも考えやすいのは、お部屋の内装の色から選んでみること。では内装で色の面積が多い部分はどこかを考えるとまず壁になります。カーテン自体をあまり目立たせたくない、部屋を広く見せたいという場合は、壁の色に合わせて統一すると、シンプルでスッキリとした空間に仕上がります。次に色の面積の多い部分は床、その次がドアの色になります。お部屋全体の空間をまとまった雰囲気にしたい場合は、床の色に合わせるのがお勧めです。お部屋に少しアクセントを付けたいなら、ドアの色に合わせると垂直方向の色が強調され、空間のポイントになります。
また、色味を揃えるだけでなく、床やドアの色のグラデーションでまとめると、全体的にコーディネートされた印象になります。お手持ちの家具の色に合わせるのも一つの方法です。ダイニングチェアの張地やソファの張地の色に合わせたり、ラグに合わせたりすることで、アクセント的に合せることも可能です。

③基本をマスターしたら、個性を楽しむ

カーテンの選び方がわかったところで、いろいろなコーディネートの方法をご紹介します。柄物を使いたい方には、フロントレーススタイルをお勧めします。レースには透け感があるので、植物柄や花柄などをあしらった上品なものを選び、ドレープには発色の良いカラーの無地の生地や、落ち着いた色の生地を吊ると、夜でもレースのきれいな柄が浮き上がります。
柄物で縦ラインの生地を使う場合は、天井が高く感じられ、横ラインの生地ではお部屋の横方向が強調されるため、広がりのある空間に感じられます。また、柄に飽きてしまった…と言う場合には通常の吊り方をすることで、昼間は柄のレース、夜は無地のカーテンという使い方もできます。

マンション暮らしならではのスタイリング

マンション暮らしは戸建て住宅と違い、家の中の目隠しとしてカーテンを考える必要ない場合も多くありますので、カーテン選びも、大いに楽しみましょう。その場合、ドレープを付けず、ケースメントと呼ばれる適度の調光性と遮光性を兼ね備えたドレープとレースの中間タイプのカーテンを採用される方も増えてきています。一見レースに似た生地ですが、レースよりも厚手でボリューム感もあり、素材感を楽しめるのも人気の秘密です。眺望自体がインテリアでもある場合は、その利点を邪魔しないカーテンを選ぶようにしましょう。


VOL12-GAGUIDE201705

collage.fw_r16_c5