「暮らしと香り」について様々なアロマテラピーの資格をお持ちの真田先生にお伺いしました。

vol.42016.09.1

「暮らしと香り」について様々なアロマテラピーの資格をお持ちの真田先生にお伺いしました。

香りとはどういうものなの?

私達は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)で様々なものを感じ、心や脳に伝達しています。その五感のひとつ嗅覚はどうでしょう。玄関を開けた瞬間、お母さんが台所で作る料理、リビングで飲む珈琲、お風呂場の入浴剤の香りなど…嗅覚は目に見えない、はっきりしないものを感じているのです。日常の暮らしの中で香りはどのように感じ、記憶というアルバムを作り出してくれるのでしょうか。今回のコラムは暮らしと香りの仕組み、取り入れ方などを掲載していきます。

香りの仕組み

鼻から香りの物質が入った後、その奥にある粘膜に溶け、嗅細胞がキャッチし香りセンサーが反応します。香りの情報は、扁桃体や海馬といった本能行動や感情・記憶を司る本能の部分(大脳辺縁系)に伝達されます。
香りは人それぞれ好きと嫌いがあり、一度イヤな香りと感じると、理屈抜きに嫌いになってしまいます。脳の仕組みで感情と合わさった香りは記憶として残りやすい特徴があります。例えば、昔好きだった人がつけていた香りを何十年も経って別の人がつけていると、その人の事を思い出したりしませんか?それは、楽しかった思い出(感情)が香りと結びついて記憶として残っているからです。

精油(アロマオイル)の特色と分類

精油は芳香植物の花・葉・茎・種子・樹皮・木部等から抽出したもので、植物の有効成分が高濃度含まれています。実は精油には香りを楽しむ使い方(アロマテラピー)と薬理成分を利用した使い方(メディカルアロマテラピー)があります。
前者は自分の好きな香りで心をマインドコントロールすることが出来、後者は「良薬口に苦し」と同じで、好きではない香りでも精油の成分の薬理効果を使えば健康管理はできるということです。日々のコンディションや暮らしで使い分けることも出来る奥深いものなのです。

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暮らしと香りのご提案

暮らしに香りを取り入れる時、大きくふたつの選び方があります。
ひとつは好きな香りを楽しむ方法です。心地よい香りは良い記憶と結びつきます。美味しそうに見える食べ物も、香りがしないと味が分からないように、そこに暮らす人や家具・インテリアを引き立てます。
もうひとつは、成分の効果を期待し取り入れる方法です。勉強をする時には集中力アップにレモン・ペパーミントなど。洗面所にはローズなどで作った化粧水やクリーム。寝室にはリラックス出来る、フローラルな香り(ラベンダー・カモマイルローマン)。デオドラントスプレーにはパルマローザ、夏は虫よけスプレーにユーカリレモン等、目的によって相応しいとされる香りがあります。どちらも、人に影響を及ぼす香りを暮らしに取り入れることで効果が期待できます。

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香りと人の歴史

香りの歴史は古く、古代エジプト時代に薫香として始まり、近代ヨーロッパ時代は香水として喜ばれ、香料文化はインドから中国へと渡ります。
日本では500年前、香りを「嗅ぐ」のではなく、「聞く」という「香道」が誕生。伝統を継承し続けている香りは、時に空間を贅沢に演出し、人を癒し、心身をリラックスさせ、笑顔へと導いてくれる目に見えない魔法のようです。
ぜひ、暮らしに香りを取り入れ、ワンランク上のライフスタイルを演出してみてください。

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